様々な英語(Many Englishes)

先日熱海で英語学習支援業(Izu Pen English Sessionsと個人的には読んでいる)をしているところ、市立図書館で興味深い本を読むことができた。

その名前は「様々な英語(Many Englishes)」 (著:小林 出版社: KENKYUSHA)だ。熱海図書館近辺の方は是非一度この本を手に取っていただきたい。

英語というのはそもそも世界的な公用語、またはそれに値する地位の言語になってから、様々な 地域や国で話されるようになっている。この本は1990年代に書かれていますが、『旧英国植民地、インド、マレーシア、シンガポール、東 アフリカの国々ではエリート層の間の「国内共通語」として機能している』とのこと。この状況はある意味で今でも変わらない状況である、と個人的にも思う。また、もうひ とつの特徴としては『母語の影響を受けたEnglishes』であると述べています。

また、同じ英語圏でも、国々によってその使われ方が違う、という点についても言及しています。例えば比較的英国と似た英語を話すオーストラリアでも2つの点が違うようだ。(英国とアメリカよりは英国と豪州、そしてニュージーランドの英語は似ている)

1つは、 “bloody”ということばの使い方。 英国ではよく”bloody 名詞”という言葉を”どうしよう もない” という意味で使う風潮があるが、オーストラリアでは “Oh they spoke bloody good English”などのように”bloody” が”とても”という意味で使われているケースがあるそうだ。日本で も若者がよく使う言葉に「ヤバい」と使うようなことが、これも彼らのような用法と少し類似点がある。つまり、ネガティブ、社会的に不適切なことばをポジティブな形容詞として捉えること。オーストラリアが元々英国の流刑の土地だったため口が荒い人が多くなってこのような状況になっ たか、わかりませんが、現状ではそのような状況だそう。ちなみに思春期の頃住んでいたアメリカでは「F」から始まるあの言葉が同じように形容詞、そして場合によって、様々な言葉の2音目に使われていた。

同じ英語でも オーストラリアの隣国のニュージランドではもっとより穏やかな気候なのか、わかりませんが、少し穏 やかなイギリス人をも彷彿させるような表現をする人が多いような気がします。(ニュージーランドの 人、数人とskypeをした印象)

しかし、こんな国でも実は moana(湖)、pekeha(白人)、kiwi(鳥)、ia ora(健康)などと、先住民であるマオリの言葉が多く日常語に入っているそうだ。 英語を公用語とする一番の人口を保持するアメリカでもよく見たら有名な都市は Los Angeles, San Diego, San Francisco, Las Vegas なども当時Mexico領(つまり先住民からスペイン人が立国した国)の名残が残っていて、アメリカ人の間ではジョークながらも「カルフォルニアはほぼメキシコだ」と言う。

さて先述したオーストラリア英語に戻ると、オーストラリア英語は3つのタイプに区分ができるそうだ。その3つは上品タイプ(cultivated)、一版タイプ(general)、そして略式(broad)タイプ。多くの国 では英語のタイプは階級によって異なるようですが、オーストラリアでは得に階級ごとの隔てはなく、 これらの3タイプは状況によって使い分けられている、とのことです。つまり、このような状況や環境、 話し相手に応じて言語タイプを変える面では日本語にも似ている面もあるかと思います。

上記は20年前の考察でしたが、もうひとつひねりを加えると、現在は2005年にサービスを開始し たYouTubeなどのインターネットビデオ配信サービスの普及により、昨今の英語や国境による隔て が薄れている面もあります。つまり、地域ごとの英語の発達と同時に世界共通で使われているよう なYouTubeやFacebookなどのソーシャルメディアで配信しても伝わる英語に統一している動きも あります。(一部ではこれを「Globish」と表現していることも聞いたことがあります。) 現に今のヨーロッパ人の話す英語を聞いていると、30代より上はどちらかと言うとイギリス流な発音 で英語を話すのに対して、20代の人々はアメリカ英語のような発音(Globishに近い)をしているこ とがわかります。これは10代の頃に触れた教材・素材の影響だと思います。 この本から得た知識を使って考察すると、 1) 地域ごとの英語は母語に影響を受ける、そして地域性がある 2) 90年代の小林氏の考察ではオーストラリアでは3つのレベルの英語(上品、一版、略式)を状 況によって使いわけている。 3) YouTube(2005-)やFacebook(2004-) の登場により、「国境」という概念が急速に薄れている。 現在はグローバルで使われる英語(一節によると”Globish”)が汎用的に学習され、使われている ような状況にある。

Advertisements