イギリスの先生はオニの顔をしている

最近、イギリス人と話すことがあったので、メモ。

どちらかというと、顔、というわけではないが、「心」の外が少しづつ出ていて、それがところどころ、顔の表情の端々に出てしまっている、という具合である。だが、しかし、これも故意かと思いきや、実のところは意図的にやっている。なので、イギリスの教師は「私はいつも怒っているぞ(I’m always quite angry)」 「こういう散らかった様子を見るとイライラとするのよ(It always irritates me to see things when they’re out of order」などと内面を生徒にあらわにする。

ここまで来るとクラスの中に緊張感が流れて、さぞ殺伐とした雰囲気になるのではなかろうか、とご想像されるかもしれないが、その所は違う。何故なら、先生は隙あらば、色々な事を話す、基本的にお喋り気質(talkative)なのだ。西洋社会では基本的にストーリー性(story telling)または、ナレティブ(narrative)という物語が中心となる話し方を好む、そして全ての人生の経験談や体験は何かに帰結すると考えているため、その先生の過去の話などを聞くと、人間味が伝わってくる。イギリス人は特に素朴・謙虚なライフスタイルを美徳とし、人生の愉しみとするところがある(そしてここにも実はシニカリズムが見え隠れする)、よってその先生のキャラクターが見え隠れするのである。

また、生徒は子供の頃から、手を挙げることをしつけさせられる。面白いことに「答えをわかっていなくても、手を挙げろ」と言わんばかりの教育をさせられる。もちろん、クラスによっては答えがわかればその場で生徒全員が一斉にそれぞれの答え(考え)を発するようになり、場は混沌と化する。 すると、先生は「はいはい、一人づつ~!」と少しキレのある口調で切り返す、または挙手することを推奨しておきながら、答えが間違っていると「違う」、と言って切り返す。一見、タチが悪いようにも見えるが、こうやって、間違って応えてしまった生徒に関しても、後でフォローをして別の問題などを答えさせる。つまり、「挙手して発言すること」そして、自分の出した回答を「受け入れてもらうこと」も「拒否されること」、どちらも当然のごとく「是」であることを、日頃から練習するのである。筆者が幼少時代に行っていたイギリスの私立の男子校では、まさに教師陣がオニのような形相をしていた。常に頬は赤らみ、息は荒く、授業中も何か生徒が無駄遣いや遅刻などの不道徳とされることをすると「Oye!!! (コラ!)」と怒るのである。こういったことにより、規律を重んじる、と同時に年配者としての威厳を保っていたのかもしれない。いずれにせよ、教育や会合の場では、積極的に発言することはあたりまえ、そして発言が受け入れらることも、拒否されることも当然のごとく、日常茶飯事であり、また教師も質問されることを拒まず積極的に応えていくのである。

このような背景があるからイギリスなどに行くと感じる紳士・淑女にある、独特のふてぶてしさとシニカリズムや自信、またはそれに伴った「個」はこういった教育から来ているのかもしれない。特にイギリス人は独特な善意が背景にあるシニカリズム(synicalsm) やサーキャズム(sarcasm)を展開できているのかもしれない。

長らく日本に住んでいる私からすると、イギリス人がある意味で目指しているは「最高の社交辞令」を練習しているかのうに思える。もちろん最終的に社交辞令というのはうまく練習を積み重ねればジェントルマンシップなどにも繋がると思う、もちろんそれがどうやって実現するかはまだ模索中だが… そして社交辞令を重ねるうちに、「考え以上の何か」が共鳴する人も出てくるので、そのような人達が生涯の友人、伴侶または盟友または同士・ライバルとなるのかもしれない。一つこんな形で回っているのが、イギリス社会なのかもしれない。

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